
灯争大戦のリミテッド環境

灯争大戦のリミテッド環境も背景世界と似ていて、白系アグロデッキのギデオン軍、グリクシスカラーを中心としたコントロール系デッキのボーラス軍、その他中立軍(赤緑や白黒等)に分けられる。 それぞれの特徴としては以下の通り。
増殖で強化しながらクリーチャー主体で攻めていく【ギデオン軍】
多数の除去と動員によるゾンビ軍団で場を支配していく【ボーラス軍】
それぞれのカラーリングの特色を生かした【その他中立軍】
以下環境雑感
PWの存在
灯争大戦では各パックに必ず1枚プレインズウォーカーカード(以下PW)が存在するため、灯争大戦リミテッドではPWを中心とした戦いとなる事が多い。 トークン生成系の忠誠度能力を持つPWは、2回もしくは3回トークンを生成した後忠誠度が1残るデザインとなっており、残ったら残ったで厄介な能力があるものも多いため、速やかにPWを対処できるようなデッキ構築が望まれる。具体的には回避能力持ち及び相手より多いクリーチャーでの盤面構築が鍵となる。
多数の除去
赤と黒の除去は軽量除去から確定除去まで非常に豊富。青はバウンスが中心だが、ゾンビ軍団はじめトークンが多い環境のためいずれも強力。 反面白と緑は使いやすい除去が少なく、白の放浪者の一撃は強力だが少々重く、緑の連帯も悪くはないが若干使いづらい。その代わり白と緑には多くのコンバットトリックがあり、戦闘は優位に進められることが多い。
2マナ域のクリーチャーについて
2/1 2/2 1/3 1/2飛行 1/3飛行がメインとなる。飛行などの回避能力持ちは基本的にパワーが1でデザインされており、工夫せずに2マナからのテンポで攻め切るのは難しくなっている。
青という色
青は増殖と動員の両方を使える唯一の色で、コモンのクリーチャーにも優秀なものが多いのでリミテッドでも非常に人気。
キーワード処理について
動員

今回初登場のキーワード処理で、「自分が軍団・クリーチャーをコントロールしていないなら、黒の0/0ゾンビ・軍団クリーチャー・トークンを1体生成する。自分がコントロールしている軍団・クリーチャー1体の上に+1/+1カウンターをN個置く」という処理を意味する。
簡単に言うと軍団トークンがいなければN/Nのゾンビ・軍団トークンが出て、既に軍団トークンをコントロールしていたらそれに+N+Nのカウンターが乗ることになる。 攻める時は相手が処理できないサイズのゾンビ・軍団を生成することもできるし、守る場面ではチャンプブロックを繰り返すことも可能であり非常に強力なキーワードといえる。動員は青・黒・赤の3色のカードに存在し、これらの色の組み合わせが人気となっている原因でもある。 これらが強力なため、対抗策としてバウンス呪文(手札に戻す系の呪文)の評価が通常より高い。
増殖
かつてミラディンの傷跡ブロックで登場したキーワード処理で、「パーマネントやプレイヤーのうちでカウンターを持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが持っているものと同種のカウンターをもう1つ追加で置く」という処理のこと。
灯争大戦ではPWがたくさん存在したり、軍団・ゾンビトークンは+1/+1カウンターで構成されているためこれらのカードと相性が良い。
相手のコントロールするパーマネント及び相手プレイヤーに乗っているカウンターも対象にとれる。灯争大戦リミテッドで相手のカウンターを増やす場面は、相手のクリーチャーをわざと強くして放浪者で追放したり、爆発域のカウンターを勝手に増やすことで相手の思惑を外すことができる。
今回増殖は白・青・緑のキーワードとなっており、動員と増殖を両方使える青に人気が集中することになる理由でもある。 青は比較的カウンターを乗せることに苦労しないが、白と緑での増殖の扱いはいかに+1/+1カウンターを乗せることができるかが鍵。意識してピックを進めないと増殖するものがないデッキとなってしまうことも多い。
ピックの方針 ギデオン軍がボーラス軍か、はたまたそれ以外か
初手及び2・3手目のレア及びPWを軸にデッキ構築を進めていくが、前述したようにこの環境では大きく3つのデッキタイプが存在する。
バントカラー軸のビートダウンデッキ、ボーラスカラー軸のコントロールデッキ、その他だ。ここではそれぞれのピックの方針について解説する。
強いギデオン軍を組み上げるために
白系のビートダウンを組み上げる場合意識するポイントは2つ。飛行と+1/+1カウンターだ。
軍団トークンが地上ということ、PWから生み出されるトークンも地上ということから、飛行が重要となる。戦地の金切り声上げでも喜んで採用したい。
続いて+1/+1カウンターだが、白緑や白青は増殖させることは得意だが、意識しないと中々+1/+1カウンターが置かれておらず無駄になる事も多い。テヨの光盾や鉄の暴漢なども意識してピックしたい。
白緑・白青 サンプルデッキ

ボーラス軍の構築方法
PW・除去・クリーチャー共に水準以上のカードが多く、気が付いたらデッキになってるぐらい色が強い。 フィニッシャーについてもグリクシスカラーの6マナ域のクリーチャーはキオーラの堰破り・税収運びの巨人・侵略するマンティコアといて、どれもフィニッシャーたりえるクリーチャーで2体ぐらいは余裕で採用可能。環境がロングゲームになりやすいため6マナでも問題ない。
コモンの黒除去の優先順位はオブ・ニクシリスの残虐、灯の収穫、ソリンの渇き。オブ・ニクシリスの残虐は追放できることも修正値の大きさも含めてトップコモンにふさわしい。
コモンの赤除去の優先順位はヤヤの挨拶、チャンドラの螺旋炎、心火。 心火は強いが、不気味な修練者や動員付きクリーチャーがいないと若干使いづらい。
青の除去系呪文は無神経な放逐、カズミナの変成、道迷いとあるが、無神経な放逐以外は大差ないのでマナカーブと相談して採用しても良い。
エイヴンの永遠衆、雷のドレイク、呪文持ちの奇魔等青は優秀なコモンクリーチャーが多いため青ベースで青赤か青黒かで構築をするのが慣れないうちは賢明。 MTGアリーナでも同じようなデッキと対戦することが多いが、同型対決で意識するべきはPWへの対処手段で、灯の収穫などの直接対処できる手段や飛行などの回避能力持ちクリーチャーなどは意識して採用したい。
青黒 サンプルデッキ

それ以外
上記以外で代表的なアーキタイプは緑多色があげられる。 緑系のマナサポートから強力な多色のカードを各種採用していく形だ。 必然的にロングゲームを見据えることになるため、序盤の低マナクリーチャーや軽い除去の優先度は上がっていく。
新たな地平やマナ晶洞石は必須なため、1,2枚目は早めに確保したい。
ギルド球も多色化には役に立つがプリズマイトは本体が弱くできるだけ使いたくない。 準備さえできたら後は片っ端から強そうなカードを取ればデッキになる。
その他白赤のビートダウンデッキは贖いし者、フェザーか第10管区の軍団兵ありきで構築したい。1マナのコンバットトリックを多めに採用し基本は上記で書いた飛行を軸として構築すると強いデッキができやすい。
赤緑はクロンチの世話人からの怒り狂うクロンチ、開花の巨体などのパワー4を連打する形がオーソドックスで強力。ただし少し手間取ってしまうとグリクシス系の除去多めのデッキにすぐ逆転されてしまうのが難しいところ。膠着した状態でダメージを与える仕組みを取り入れたい。
見たら取りたいレアTOP10
※神話レアは軒並み強いので除外してあります。
カード名 | コメント |
---|---|
人知を超えるもの、ウギン | 無色なのでどの色でも使え強い。見たら取ろう。 |
神秘を操る者、ジェイス | マナシンボルさえ許せば1枚で勝てる性能。初手で取れたら青を濃くしていきたい。 |
虐殺少女 | 使い方にコツがいるが、盤面を一掃して4/4威迫が残る事も。ゾンビ軍団トークン等を巻き込んで一掃を狙いたい。 |
主無き者、サルカン | ドラゴンと共に次のターン8点クロックを叩き込める。他にPWがいるとさらにGood |
世界を揺るがす者、ニッサ | 毎ターン生成される3/3は強いの一言。何気に警戒も偉い。 |
寛大なる者、アジャニ | 白緑にかみ合ったPW。うまく使うことで相手を圧倒することが可能。増殖との相性は言わずもがな。 |
戦争の犠牲 | 最大1対5交換が可能な除去。出来るならPWとクリーチャーは巻き込みたいところ。 |
永遠神の投入 | 令和の栄光をもたらすものと呼ばれる凄いカード。なぜかライフも回復する。 |
贖いし者、フェザー | ボロスに行くきっかけとなる1枚。単体のスペックも高く能力も破格。 |
嵐の伝導者、ラル | 忠誠度が高く落ちづらい。除去をコピーすることで盤面を取りやすくダメージ能力でPWにも触りやすい。 |
できるだけ見たくないレアTOP10
タイトルの通りです。特に今回の灯争大戦では1パックに1枚必ずPWカードが入っていますが、レアでハズレのPWが出た場合レアもPWもハズレとなり切ない事この上ないです。
カード名 | コメント |
---|---|
大いなる創造者、カーン | レア枠とPW枠を同時につぶしていく悪魔。 環境に強いアーティファクトが少ないため非常に使いにくい。 |
狼煙上げ | 叫びたいのはこっち。効果は強いものの重すぎ。 |
パルヘリオンⅡ | 空飛ぶ聖なる鋳造所。殴れれば強い。殴れれば。 |
迷い子、フブルスプ | 弱くはないのだが、レアでなくても・・ |
ナーセットの逆転 | 何はともあれ使いづらい。たまに強い。 |
静かな潜水艇 | 過去の反省から非常に弱体化した密輸人の回転翼機。まず潜水艇なのに普通にブロックされる上に 何故か搭乗2 そして青青。 |
悪への引き渡し | めっちゃ強いカードが4枚墓地に落ちていれば強い。そういうこと。 |
古呪 | 嵌ったときの気持ちよさは一級品。中々うまくいかない。 |
破滅の終焉 | X=10で打てば勝てるカード。ワンチャンぐらいはある。 |
伝承の収集者、タミヨウ | プラスが使いにくいのが難点。マイナスは強く、本体の能力も忘れがちだが強い。 |
各種プレインズウォーカーの評価一覧
PWは灯争大戦ドラフトにおいて非常に重要な存在となっている。1パックに必ず1枚入っており、そのカードの強弱次第でデッキの強さすら決まってしまうこともある。ここでは各プレインズウォーカーの簡単な評価と一言コメントを紹介する。
5段階評価と一言
カード名 | 評価 | コメント |
---|---|---|
大いなる創造者、カーン | D | 灯争大戦のPWの中で一番やばい奴。なんとレア枠とPW枠両方持っていく上に効果がほぼ何もしない。 |
人知を超えるもの、ウギン | S | プラス能力でトークンを生成出来、アドバンテージも稼ぐ上に盤面にも触れる。優秀。 |
黒き剣のギデオン | S | 非常に優秀な戦力で攻めている場面だと対処されづらくリミテッドでは非常に強力。-6能力も使いやすい。 |
盾魔道士、テヨ | D | トークンを生成できるPWの中では弱いほうだが、本体が持っている「あなたは呪禁を持つ」は侵略の代償などの呪文から守ってくれて意外と役に立つ。 |
放浪者 | B | 複数回使える除去と本体の戦闘ダメージでないダメージをすべて軽減する効果が地味ながら強い。 |
神秘を操る者、ジェイス | A | +1でドローがついており初期忠誠度も高めで落ちにくくアドバンテージを稼ぎやすい。ジェイス自身で勝つことも出来強力。 |
謎めいた指導者、カズミナ | A | アリーナで強い青デッキには大体入っていると言われるほど強い。2/2トークン生成にルーティングがついていたり、カズミナの呪文を唱えるコスト+2も非常にいやらしい。 |
覆いを割く者、ナーセット | C | -2能力で除去や新たなPWを発見する動きも強く、コントロール同型の際のドロー抑制能力も意外と役に立つが盤面に触れずデッキによっては使いづらい。 |
はぐれ影魔道士、ダブリエル | B | 1枚で最大3枚捨てさせることも出来、後半引いても手札の枚数に応じてダメージを与える能力により腐りにくい。 |
戦慄衆の将軍、リリアナ | S | 全ての能力が噛み合っていてとんでもない。どんなに無理やりでも使う価値のある1枚。 |
憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス | C | 相手のクリーチャーを破壊することもできるが、2ドローされてしまうのは痛い。基本的には自分の小型クリーチャーを破壊しいざという時に相手のクリーチャーを破壊したい。 |
炎の職工、チャンドラ | A | +1能力は土地もプレイ可能で単純に1ターンに2ドローできる感覚で使える。-7能力で本体7点ダメージもあるため放置されにくくどちらにせよ5~7点ぐらいのダメージを稼いでくれる。 |
敬慕される炎魔道士、ヤヤ | B | 環境に小型のクリーチャーが多いため、2点火力を2回打てるヤヤは使いやすい。ヤヤ本体の赤からのダメージソース+1もデッキによってはかなり強力。 |
主無き者、サルカン | S | 最低でも4/4ドラゴンを場に出すことができ、他にPWがいた場合の打点は驚愕の一言。ドラゴンを出すことでタフネス1クリーチャーから身を守れるのも良い。 |
無頼な扇動者、ティボルト | B | 3マナでトークンを2体出せるスペックのティボルトも使いやすいPWの1つ。勝ちに直結するわけではないが、ライフゲイン封じと相まって良い働きをする。 |
群れの声、アーリン | A | 単純に3/3を3体で9/9換算できると思えばその力強さが伝わるだろうか。増殖と相性も良いのも◎ |
野生造り、ジアン・ヤングー | C | 白緑系で必要な+1/+1カウンターを乗せることができるカードだが、単体で特に仕事をせず初期忠誠度が低いのもマイナス。 |
世界を揺るがす者、ニッサ | S | 使われてみて分かる強さ。出してすぐ3/3警戒クリーチャーが誕生し、何ならそこから2マナ出て他のアクションすることも可能。無茶苦茶。 |
野獣の擁護者、ビビアン | A | すべてのクリーチャーが瞬速を持つことで相手からすると非常に戦闘がやりにくくなるPW。維持してるだけでどんどん盤面が優位になっていく。 |
寛大なる者、アジャニ | S | プラス能力の3点ゲインは地味だが、-能力と本体の持つ警戒付与が強力。強化しながらPWを守ることができ、白緑のテーマである増殖との相性も抜群。 |
ボーラスの壊乱者、ドムリ | B | 本体の忠誠度能力は若干使いづらいが、クリーチャーが+1/0される効果が非常に強い。押してる盤面で使っていきたい。 |
龍神、ニコル・ボーラス | S | マナコスト以外は強いことしか書いていない。マイナス能力から入ると意外とすぐ落とされてしまう忠誠度の低さは気になるが、維持しているだけで勝てるPWはさすがに強力。 |
嵐の伝導者、ラル | A | プラス能力を使用した場合忠誠度が6となり落ちづらく、マイナスのコピー能力とダメージを与える本体の能力のおかげで相手のPWへの牽制となり強力。 |
復讐に燃えた血王、ソリン | A | プラス能力は地味だが、初期忠誠度が高く落ちづらく、絆魂でライフレースを優位に進めることも出来る。 |
伝承の収集者、タミヨウ | C | 基本的には墓地に落ちたカードを回収するためのカードと割り切って使うと使いやすい。本体の手札捨てさせる効果と生贄に捧げる効果を無効にする効果も意外と強い。 |
時を解す者、テフェリー | B | 初期忠誠度がそこまで高くなく落ちやすいのが難点。ただし本体の能力はこちらだけコンバットトリックを打つことが出来るためリミテッドにおいて非常に強力。 |
混沌の船長、アングラス | A | 本体の能力が威迫付与と非常に強く、動員2も2回忠誠度能力を使えれば軍団トークンが4/4となる事もあり優秀。 |
夢を引き裂く者、アショク | C | 1枚で最大20枚ライブラリーを削ることができ、同時に墓地対策も出来る1枚。ただ基本的に盤面には触らないため、押されている状況だと出しにくい。負傷者の手当てで2回出せるとさらに強力。 |
支配の片腕、ドビン | B | 擬似除去としてつかうことができ、本体の能力も相手にとってはやりにくいため、盤面干渉力はそこそこ高い。 |
太陽の義士、ファートリ | D | マイナス能力はそこまで強くは無いが、本体の能力であるタフネスの値でダメージを与える能力はデッキを選べば強力。 |
死者の災厄、ケイヤ | A | 2回使える除去。重さとマナコスト以外は問題なく強い。 |
ビヒモスを招く者、キオーラ | C | 基本的には対処されづらいマナ加速として使う。パワー4以上のクリーチャーのデッキ内の枚数で強さが変わる。擬似警戒として使う事も。 |
石の嵐、ナヒリ | B | 複数回使える除去であり、戦闘時の先制攻撃付与も強力。法ルーンの執行官とのコンボは使いやすい。 |
崇高な工匠、サヒーリ | A | 呪文多めのデッキで構築した時に真価を発揮する。-能力も使い方次第では非常に強力。 |
暴君潰し、サムト | B | 攻めている時には速攻も+2/+1も使いやすいが、受けでは若干使いづらい。 |
群集の威光、ヴラスカ | A | 生成されるトークンは通常の接死に加えPWに対しての接死能力が付いている上に、成長する可能性もある。攻めても守っても強いPW。 |